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台湾で広がる吟醸酒
日本酒の海外での消費は、日系移民によるものがほとんどであった時代を経て、一九八〇年頃に 最初の転機がありました。海外在留邦人の増加やアメリカでのスシブームを背景に和風料飲店での 消費が増加、上位メーカーが将来の需要増を見込んでアメリカで現地生産を開始したり、日本名門 酒会が地方メーカーの上級酒を海外に紹介したりするようになったのです。それから二〇年の時を 経て、近年は次のステージに移りつつあるように見えます。アメリカや台湾で日本酒の上級品の存 在が広く知られるようになってきたのです。今回は夏に台北のホテルで開催された日本酒フェアの 様子をご報告し、海外での日本酒の上級品市場成立の可能性を考えます。

台湾のトップホテルでの日本酒フェア
 台北にあるフォルモサ・リージェントホテルで、日本酒の大々的なフェアが開催されると伝えるメールが飛び込んできたのは、六月 末のこと。獺祭(だっさい)の蔵元である桜井博志さん(旭酒造・山口県)からのメールでした。フォルモサ・リージェントは台湾の最高級ホテ ルで、日本で言えば帝国ホテルやホテルオークラに相当します。この機会に蔵元一〇社が訪台すると言うので、同行取材させていただ くことにしました。
台湾への日本酒の輸出が伸びたのは一九九〇年代です。台湾ではつい最近まで酒類の製造・販売は、国営企業による専売制となって おり、輸入も限られた銘柄を、数量を制限して輸入してきました。一九九〇年代半ばに輸入条件が緩和されると、日本の上位メーカー のレギュラークラスのものの輸入が急増したのですが、これに対抗して台湾企業が安価な清酒を本格的に供給したため、日本からの輸 入は少しずつ減少していきました。
 ところが一九九九年頃から日本酒の上級商品が注目されるようになります。WTOに加盟を目指す台湾は、専売制をやめ酒類の製 造・販売の自由化を進め、これがきっかけとなって、日本酒の上級品の輸入販売熱が高まったのです。日本からは年間一〇〇万人が台 湾を訪ね、反対に台湾からも観光・ビジネス・留学などの目的で大勢の人が日本にやってきています。日本酒に上級商品があること は当然伝わります。アジアで大流行している日本のポップミュージックやアニメの影響で、台湾の若者は「日本はかっこいい」というイ メージをもっています。若者や富裕層のなかに、日本酒の上級品に関心を持つ人がでてくるのは当然でしょう。
 図表1は日本酒の輸出量と輸出金額を示しています。台湾だけを対象としたものではありませんが、いま、お話したことが数 字にもはっきりと現れています。日本酒の輸出先はアメリカと台湾が大きく、この二つの国で同時に上級品のムーブメントが生じつつ あると言えましょう。

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