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一〇年後の酒市場 何が増えて何が減る
 一九九〇年代の半ばをピークにお酒の消費量の減少が続いている。若年層の酒バナレが進んでい るという見解や、高齢化により酒類の消費量の減少に拍車がかかるという意見も聞かれる。国内市 場は、人口減少と同時に進む高齢化は避けられない状況だ。この先お酒の消費はどのように推移し ていくのか、今回は各種のオープンデータをもとに一〇年後を予測する。

一〇年なんてあっと言う間
 まず、一〇年前を思い出してみよう。バブル崩壊後の経済と消費の低迷が深みにはまり始めたこの頃、巷には「価格破壊」という言 葉が溢れていた。いままでの国内市場は世界的な物価水準に比べて高すぎた、内外価格差を是正し物価を下げれば、不況の中でも暮ら しは豊かになるという意見が声高に叫ばれていた。翌年の一九九五年には阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件があり、その後、二〇 〇一年には九一一米国同時テロが発生した。暗い出来事が続くなか、二〇〇二年には日韓共催ワールドカップサッカーが開催され、日 本中がテレビに釘付けになった。酒類業界では「テレビの前に座って動かない巣籠もり消費だ。飲食店の景況感が極めて厳しい」とい う声があがった。あらためて振り返ってみると、あっという間の一〇年間である。これからの一〇年もきっと瞬く間に過ぎることだろ う。
 時が矢のように過ぎ去ることを自覚して、今から将来の市場変化を見据えることは悪いことではなかろう。推計の拠りどころは大き く三つのオープンデータである。ひとつは成人一人あたりの酒類消費量と成人人口の将来推計、二つ目は世帯主の年齢層別に金額ベー スで酒類の消費動向が把握できる家計調査、そして三つ目が時系列で追う課税数量である。

減少が続く一人あたり酒類消費量
 最初に成人人口の将来推計と一人あたりの酒類消費量の変化から、一〇年後の酒類消費量の増減を推計してみよう。
 国税庁が発表する年間酒類消費数量(小売業者の酒類販売数量)と厚生労働省が発表する年齢別の人口推計 (図表1)から、成人一人あたりの酒類消費量を割り出してみる。 一九九四年の一〇〇・七リットルをピークに減少に転じ、二〇〇二年では九三・二リットルにまで落ち込んだ。成人一人あたりの酒類消費量は一九九 五年以降減少幅は小さくなったものの、年々少しずつ減少を続けている。
 減少傾向が緩やかになった一九九八年から二〇〇二年の増減率を基準に、それが継続するものと仮定して、将来の成人一人あたりの 酒類消費量を算出したのが図表2である。二〇一〇年には九〇リットルを割り込み、二〇一五年 には八七・三リットルにまで減少する。これに成人人口の推計値を掛け合わせると、酒類消費量は二〇一〇年に九三四万キロリットル、二〇一五年に九 〇九万キロリットルとなる。これは二〇〇二年の酒類消費量よりも約四%の減少である。
 ただし、この値はかなり楽観的なものととらなければならない。二〇一五年には、成年人口は増えるものの高齢化が一気に進んでい るからだ。老年人口といわれる六五歳以上の人口は二六%を占め、二〇〇四年の一九%より七ポイントも高くなる。飲酒量や飲酒機会 は六〇代以上になると著しく減少する。成人人口が減らずとも、高年齢層の増加によって飲酒量や飲酒金額は確実に減少する。

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