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「長野の酒」からはずれをなくす
関さば・夕張メロン・山形のだだちゃ豆など、第一次産品では産地のブランド化が活発だ。海外からの安価な産品と棲み分けるにはこれしかない、というほどの勢いである。清酒でも同様の動きがある。原産地呼称制度だ。多くの先例を踏まえて、今年、長野県が独自に制度をスタートさせた。
今回はその詳細を大信州酒造(松本市)に聞く。


日本酒王国「長野」の挑戦
写真松本駅から車で約10分のところにある大信州酒造は、昭和二三年創業の比較的若い蔵でありながら、真摯な酒づくりで愛され、いまでは2000石を醸し、長野県を代表する蔵のひとつになっています。
長野の日本酒といえば、田中康夫県知事が中心になって制度を整えている長野県原産地呼称管理制度が話題になっているところ。ところが、こうした制度はこれまでさまざまな団体が日本酒の原産地呼称制度に乗り出し、なかなか成果を上げられない制度でもあるのです。その理由は、日本酒はワインなどと違い、原料より技術によるところが大きい酒であること、味に地域差を見いだすことは難しいこと、原料の米も水も日本中どこからでも取り寄せることができることなどです。現実に、より良い地域の原料米を仕入れることは、どの蔵でもおこなっている努力なのです。
長野県の酒の評価を高めたいと、熱心に酒づくりに取り組んでいる大信州酒造の常務取締役・田中隆一さんは、「たしかに、いままでいくつもの団体が実施しようとしてきた制度です。ですが私は、他の団体が制度取り入れに失敗したのは、制度そのものの信頼が消費者から得られなかったからだと思います。今回は、県知事の肝入りで、農産物など酒にとどまらない広がりをもたせるのですから、大丈夫。しっかりとした、信頼ある制度に仕上がるはずです」と、今年始まった制度に対する期待を話してくれました。

長野県原産地呼称管理制度とは
平成15年2月14日から施行された長野県原産地呼称管理制度とは、長野県で生産・製造された農産物・農産加工品を自信と責任を持って消費者にアピールしようという目的で、まず日本酒とワインからスタートしました。長野県原産地呼称管理制度そのものの事務局は長野県農政部農政課にあり、日本酒委員会は長野県商工部産業技術課にある公的制度なのです。品目別委員会で定めた基準に適合すると認められた農産物等には、認定マークのような共通の表示項目と品質別表示項目が記載されます。
日本酒の場合認定が受けられる条件は、純米酒であること。平成14年以降に生産された長野県産の酒造好適米(美山錦、ひとごこち、しらかば錦、金紋錦)かうるち米(コシヒカリ、ながのほまれ、あきたこまち、ひとめぼれ等)、そのほか日本酒委員会で認めた酒づくりに向いている品種(加工用米は認めず)を100%使用していること。精米歩合70%以下で、精米から醗酵、瓶詰までのいっさいが長野県内でおこなわれた自醸酒であること。液化仕込みをせず、長野県内の水を使い、かつ官能検査で平均以上の品質であると認められること。ちなみに官能検査は、香り、味、バランス、総合の四項目について複数の審査員がブラインドテストをおこないます。これらすべてをクリアすると、長野県原産地呼称管理委員会認定マークの表示が認められます。
5月に審査を受けた酒は7月31日までに瓶詰めをおこない(五月に審査を通った酒で七月に再審査を受ければ瓶詰め期間は9月30日まで延長)、10月31日まで認定酒として出荷することが許されます。また9月に審査を受けた酒は翌年5月31日までに瓶詰めをし、8月31日まで認定酒として出荷をすることが許されます。さらに1月に審査を受けた新酒は、3月31日まで瓶詰めし、5月31日まで認定酒として出荷することが許されます。
自主参加なので、今年度は四月に181点が出品され、110点の日本酒が認可されました。また、9月には140強がエントリーし、六一点が認可されています。参考までにワインは、80強がエントリーし、12点が認可を受けました。もちろん蔵の方針で、認可対象となる日本酒でもエントリーしないものがありますし、純米酒以外、県産米以外を使用した日本酒にも評価すべき酒は多いので、認定マークがない日本酒が、イコールだめな日本酒というわけではありません。
写真

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